9月5日(金曜日)「かでる2・7」で北海道警察本部 警備部外事課上杉光範課長補佐を講師としてお迎えし「不法滞在等来日外国人犯罪の現状について」と題した入管業務研修会が開催されました。(参加者46名)
講義の概要
平成16年時の不法滞在者は21万6千人と大量の不法滞在者は来日外国人犯罪の温床となっていることが指摘されている。警察では、入国管理局との合同摘発を行い、平成26年の不法滞在者は5万9千人となっている。
外国人による犯罪検挙状況は前年度と比して増加傾向にあるという。
刑法犯で検挙された外国人のうち、窃盗の検挙人員の6割が不法滞在の外国人が占めており、このほか、詐欺、カード偽造等の知能犯が検挙されている。
在留カードの不携帯の外国人の指導に当たっている。
船舶による集団密航事件は減少しているが、ここ数年は、より発見されにくい、少人数で船倉などに潜伏して密航する傾向がある。17年に中国福建省から厚岸に上陸した中国人密航者について話され、警察では、こうした事案を根絶するために、関係省庁と連携して、外国捜査機関との情報交換を積極的に行い、共同摘発などを進めるとのこと。
不法就労目的の不法入国者、不法残留者事犯の多くは、雇用主などが関与しているものが見られることから、悪質な雇用主の取り締まりを強化し、不法就労外国人の供給の遮断を図っている。
平成26年9月5日「不法滞在等来日外国人犯罪の現状について」の研修を受講しました。
在留関係の研修では珍しいテーマだと心惹かれました。
入管法にかかわる違反は、申請取次業務を行う上で常に考えるべき事だと思っています。
数々の研修会講師や申請取次業務を行っている先生方々が、常に入管法の違反について意識を持つようにお話しいただいた結果だと思います。そして今回、入管法の違反の現状を学び、不法滞在・不法就労(資格外活動)など申請取次業務でも遭遇する事例があるのだと再確認いたしました。また、警察ならではの具体的な捜査実例を聞き、万が一の場面をイメージすることができました。今後の申請取次業務に活かされる研修会でした。
講師 道警本部 上杉様、また研修会を担当された申請取次委員会の皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。
この度、第1回入管業務研修会「不法滞在等来日外国人犯罪の現状について」に参加し、上杉様から色々なお話を聞くことができました。
全道における来日外国人犯罪検挙状況については、本年6月末現在で検挙数が49件、検挙人数が43人(同年同期比+24件、+19人)とのことで、そのうち我々が関与している入管法関連の犯罪は26件、21人という内訳でした。この入管法違反による検挙人員の態様別割合としては、資格外活動の範囲外の行為や不法残留が大半を占めておりました。
研修会の後半では、正規の滞在者としてなりすましていた不法残留の男性を検挙した件や本州に住所を有する外国人留学生らを北海道の農場で働かせていた件等の具体的な事例を交えて説明して頂きました。就労ビザ(在留資格)の内容及び在留期間の遵守の更なる周知徹底が必要であると実感しました。
また、近年の来日外国人の犯罪等の特徴として、技能実習生の失踪者等が増加していること、偽造在留カードの所持が全国的に広まってきていること、を挙げていらっしゃいました。特に後者の偽造在留カードに関しては、これまでの不法残留者らが手を出すケースだけでなく、在留カードを有しているものの他の活動をしたいという理由で依頼するケースもあるとのことでした。こちらは資格外活動許可や在留資格自体の変更を行うか等の我々行政書士の相談によって事前に防げる余地があるのではないかと思います。
在留資格は、外国人の方にとって手続が面倒で費用もかかるため、「どうにかしたい」と感じるものであるのかもしれません。しかし、犯罪等に手を染めると日本での滞在を自ら困難にさせることになるので、そのような事態を防ぐためにも、申請取次行政書士として適法な在留資格等の手続の必要性を伝えていきたいと思いました。