〜その2:赤塚先生〜
赤塚明美先生
札幌支部 平成6年登録
現在、札幌支部財務部長
Q1 登録して今年で何年目になりましたか?
赤塚先生) 今年の4月で丸15年です。
Q2 登録したきっかけを教えてください
赤塚先生) 笑いをとるわけではないのですが、一本の電話にひっかかってしまいました。
その電話は、行政書士の通信講座の案内だったのですが、「自宅で開業が出来る」というその一言で申し込む事にしてしまいました。その頃、資格商法というのが問題になっていたのですが、新聞も読む事もほとんどなかった私が、試験勉強のために新聞を読む様になって初めてその事を知りました。
ただし、私が申し込んだ業者は問題になっているような悪徳な業者ではなかったので良かったのですが・・・
それから一年間、受験勉強もした事がないような私が、幼稚園に通う長女が友達と家の中を走り回る中、よちよち歩きの次女を膝に抱きながら勉強し、運が良かったのか合格してしまい、会社の登記簿謄本も見たこともなかった私が、無謀にも即、行政書士登録をしてしまいました。
《家事関連について》
Q3 自宅開業の場合、プライベートと仕事をきっちり分けることが難しいと思いますが、メリハリを付けるために、何か工夫していることはありますか?
赤塚先生) はっきり言って、仕事とプライベートの時間をきっちり分ける事は無理です。
ですから、仕事で出かける事があったら、その帰りに買い物をして帰るなど、時間的な工夫をしています。
Q4 夕食の準備が遅れそう、あるいは、どうしても業務で疲れて準備もままならなくなってしまったときに、どのようにして乗り切っていますか?
赤塚先生) ほか弁は便利だと思いますよ!
《育児関連について》
Q5 子育て期間(生まれてから小学生くらいの間)で、仕事をするときに工夫したスケジュールがあれば教えてください
赤塚先生) 仕事で出かけるのは、なるべく子どもが学校に行っている間にしていました。子どもが学校から帰って来る前に帰宅して、その後は自宅で仕事をしていました。夏休み等は外出しても、お昼頃戻ってご飯を食べさせてからまた再度外出したりしていました。
Q6 子育て期間が終了してから(中学・高校生〜大学生)、仕事や生活リズムはどのようにかわりましたか?
赤塚先生) 子どもが中学校に入ったら、二人とも部活(吹奏楽)に明け暮れていましたので、日中は基本的にいつ出かけようがかまわなくなりました。夏休みも冬休みも、子どもが家にいる日はほとんどありませんでしたから。ただ、朝練で朝早いので、学校や地下鉄に車で送っていったり、帰りも遅いので迎えに行ったり。高校になれば朝5時半頃起きて弁当を作らなければならないので、そういう面で手がかかるようになりました。
Q7 業務中に子供の急病など突然のアクシデントの時、そのときどんな対応をされましたか?
赤塚先生) うちの子は二人とも丈夫で、風邪で熱を出すということがほとんどなかったので、その点助かりました。一回だけ小学校の時に次女が、頭痛がすると言って保健室で寝ていると担任の先生から電話があったくらいですね。ただ、どうしても帰りが遅くなる時にかぎって(入札参加申請で地方に提出に行っている時など)家の鍵を忘れて行ったりするので、そういう時は娘の友達の家にお世話になるしかなかったですね。そういう時に、子どもが小さいときに、子どもの友達のお母さんと親しくして、子どもも親もお互いの家を行ったり来たりするような関係を作っておいてよかったと思います。
話がそれるかもしれませんが、私は九州出身なので、子どもを預かってくれる親戚などは近くにいませんので、近所のお母さん方に助けて頂いた事が何度もあります。道会の新人研修の時、娘二人を預かってもらったりしました。
Q8 「お母さんの働く姿」を、お子様達は日頃見ていると思いますが、働く姿を見せることでお子様達に、なにか影響を与えていると感じるときはありますか?
赤塚先生) あまりないかも知れません。長女は比較的しっかりしていますが、次女はもっとしっかりして欲しいと思いますし、逆に家で仕事をしている事で安心感を与えているかも知れません。当てにされすぎて困る事もあります。
《行政書士業務について》
Q9開業当初、営業活動はどんな形でされていましたか?
赤塚先生) 登録して約2年間は業務をしていませんでした。子どもが小さく、預けるところもなかったので・・・でもこれではいけないと思ったので、次女を保育園に預け、ある先輩行政書士の事務所にお世話になる事になったのですが、小学校に通う長女の体調が悪くなり(ストレスによる微熱、頭痛が続き、担任の先生が心配して自宅に来られた事も・・・)、3ヶ月くらいでその事務所に通う事をやめました。
その後は営業に歩く事はせず、ダイレクトメールで仕事を探しました。最初のダイレクトメールで記帳の仕事が1件と、知人の紹介で会社設立の仕事が同時に入って、それからは、ひとつの仕事が終わるとすぐにダイレクトメールを出し、しばらくするとまた次の仕事が入って来るという事の繰り返しでした。
Q10 女性ならではの苦労や、女性だからできることはありますか?
赤塚先生) 苦労は私が業務を始めた頃はまだ女性の行政書士はほとんどいなかったので、電話に出れば事務員だと思われたり、お客さんからは、主婦の小遣い稼ぎという見られ方をされたり、ということもありました。前述しましたけど、九州出身の主婦ですので、知り合いがいなく、知人の紹介で仕事が入ることはほとんどありませんでした。また、行政書士、主婦業、母親業、の三つをやる訳ですから、時間的な制約がありますね。子どもが小さい頃は研修会に出る事もままならず、夜の研修会の時などは主人の会社まで子どもを連れて行って、そのまま連れて帰ってもらったりしていました。女性だからできる事は丁寧で、きめ細やかな仕事です。何か、苦労話ばっかりになってしまいましたね。
Q11 長く業務を続けるにあたって、原動力となっていることはどんなことですか?
赤塚先生) せっかく取得したこの資格をなんとかして生かしたいと思う気持ちと、開業当時(と言っても、登録2年後)親切にいろいろアドバイスして頂いた沢山の先輩行政書士の存在と、何といっても、一生懸命仕事をした後に、お客さんから頂ける信頼です。ただ、無理をしたりせず、出来る範囲で仕事をするというのも大切な事だと思っています。
Q12 仕事をする上で、これだけは欠かせないことはどんなことですか?
赤塚先生) あまり気配りをしたりするのが得意ではないので、誠実さかな?誠実に業務をこなしていると、いつの間にかお客さんの大きな信頼を得られる事になります。
また、お客さんの質問にはたとえ専門外であっても、出来るだけ調べて答えてあげるという心がけも必要だと思います。
(インタビューを終えて)
長年業務を続けられて、なおかつ子育てと仕事の両立をされている女性の先生に、是非お話しをお聞きしたいと思い、HP運営委員会のインタビューという形で実現できました。
小角先生のインタビューは、「人に歴史あり」ではありませんが、いろいろな場面でご苦労があったことなど、お話しの内容は女性行政書士会員だけではなく、今現在子育て中のお母さん達や、これから結婚や子育ての予定がある独身の方にも、とても前向きなメッセージのあるお話しでした。
赤塚先生は、旦那様やお子さんの友達のお母さんの協力を得て、周りの人をサポートターとして子育てされていたというお話を聞き、「子育ては、一人で抱え込まなくてもいいのかな?」と、考え方が変化したような気がします。
小角先生、赤塚先生、年度末という本当にお忙しい中でのご協力、ありがとうございました。
この場をお借りしまして、HP委員一同お礼申し上げます。